ポッ拳論

ポッ拳の持論をつらつらと。8~10項目くらいは頑張って書きたい。

②強い起き攻めを考える

強い起き攻めを考える 

 

【1.起き攻めの分類】

ポッ拳における起き攻めとは、ダウンした相手が起き上がる時に攻撃を重ねるものと、空中受け身を取った相手が着地する時に攻撃を重ねるものの2つに分類できる。どちらもやるべきことは同じだが、前者のほうが簡単で後者のほうが難しい。それはなぜか。

 

空中受け身の例を挙げると、FPでダークミュウツー(以下ダーツー)がフロントシュートを当ててフェイズを変えたときが分かりやすいだろう。DPに移行後、空中受け身から地面に着地する時の起き攻めがこれに該当する。ダーツー側としてはこの時に6Xを重ねるのが定石なのだが、以下の理由により意外と難しいのである。

 

  • 空中受け身は発生時にスティックを倒すことによって着地をずらすことができる(DPなら左と右、何も倒さなければその間)。ダーツー側は相手がどこに着地するかを見定めなければならない。

  • 空中受け身からの着地時にあえて何も操作しないことにより数フレームだけ無敵時間が伸びるリバサ無入力というテクニックがある。これを混ぜられるとコマンドを入力した時と攻撃の当たり方が微妙に変わるため、単発の攻撃を重ねるときの難易度が上がる。

 

さらにダーツーの6Xはフレーム表上「中下段攻撃」に該当するため、相手がリバサジャンプを選択した際は4F以内に攻撃を重ねなければ空振りしてしまう。空中受け身前+ジャンプに6Xを重ねるのならば相当熟練度が高くないと至難の業だろう。これに無入力等も混ぜられるともう勘弁してくれという気持ちになる(まあ重ねるのが難しいと判断されたなら起き攻めは6Yもしくは4X等に変わっていくのだが)。

 

このように、空中受け身は相手が着地する場所とその後の動きによって重ねるタイミングが変化し難しい。空中受け身の場合は複数回攻撃が発生する技や、相手のジャンプをとがめることが可能な技で起き攻めするのが無難であろう。その一方で、ダウンを取った相手に起き攻めを重ねるのは、相手キャラによって微妙に変わることもあるがタイミングは常に一定であり、リバサ無入力もそこまで気になるほどではない。意図的に起き攻めを選択できる場面があれば、ダメージが少し落ちたとしてもダウンからの起き攻めを選択するほうが良いだろう。

 

【2.起き攻めに使う技の判定】

さて、起き攻めの分類について説明が終わったところで、本題である強い起き攻めとは何かについて述べていく。まずは起き攻めに重ねる技の判定から強弱を考える。技の判定についてはポッ拳wikiに分かりやすい解説が載っているのでぜひ一読していただきたい。

ポッ拳における攻撃判定は大きく以下の6つに分類される(また、ここでいう無敵とは1Fから発生するものとする)。

  • 通常中段
    ジャンプ・しゃがみを含め中上段無敵・中下段無敵などの無敵技の影響を受けない。攻撃を重ねるという点で一番優秀。

  • 上段
    リバサジャンプを咎めやすいが、しゃがみで上段無敵を持つ相手、中上段無敵を持つ相手には、無敵技を選択されると重ねることができない。

  • 中上段
    リバサジャンプ・しゃがみに重ねることができる。中上段無敵を持つ相手には、無敵技を選択されると重ねることができない。

  • 中下段
    リバサジャンプにも攻撃が当たるが、判定が短く重ねるのに練習が必要。私が知る限りでは1Fから中下段無敵を持つ技は無く、うまく重ねればどの相手にも対応できる。

  • 下段
    リバサジャンプには1F下段無敵がついており重ならない。そのため下段攻撃or投げという2択はジャンプで両対応のため成立しない(例:ミュウツーためブロックorブロキャン投げ)。上段・中上段無敵の影響は受けず攻撃を重ねることができる。

  • 特殊中段 中上段と同様にリバサジャンプ・しゃがみに重ねることができる。中上段無敵を持つ相手には、無敵技を選択されると重ねることができない(中下段無敵にも重ねることができないが、1F無敵技がないので今回は除外している)。

 

これらの技の攻撃判定を解説したうえで、起き攻めに向いている順番を考えると、
通常中段>中下段>中上段=特殊中段>上段≧下段だと私は思う。上段≧下段なのは、起き攻めの際に下段技が投げとの2択にならないという点で、読み合い上厳しいと感じたからである。
中上段については、1F無敵技を持っていない相手に対しては中下段技と同様の使い方ができる。以上の理由により、起き攻めに重ねる技は少なくとも中上段・特殊中段までが望ましい。

 

【3.リスクとリターンを考える】

次に、重ねる技の選択方法について述べていく。中級者以上の方々ならば、複数のコンボの始動技を理解し実践できるであろう。しかし、相手キャラクター毎に起き攻めを変えている方々はどのくらいいるであろうか。ちなみに私の場合、ガブリアスを使っているときは相手がバシャーモなら5YY、シャンデラなら4Yなど、全キャラに対して振る技を事前に決めており、これは相手の無敵技やコンボダメージ、切り返し技のリスク等を考慮して決定している。ここからは具体例を述べつつ起き攻めの技選びについてより深く考察する。

 

(例)自キャラがガブリアス、相手がルカリオ。デュエルフェイズにおいてフィールド中央からダウン時の起き攻めをする。攻撃を重ねたいが、どの技を選択するのが最良だろうか?

 

私の一番得意なキャラがガブリアスのため、馴染みのない方々には技がピンと来ないかもしれないがお許しいただきたい。今回の例の場合、重ねる技の候補は以下の3つである。

 

  1. 走り構えX 通常中段攻撃。コンボダメージは209(コンボダメージについては、以下同様にフェイズチェンジ時の壁ダメージ30を除いている)。相手がガードを選択しても+4のフレームを取れるが、相手にブロック攻撃を選択されると確定でクリティカル攻撃を受ける。

  2. 5YY  中下段攻撃。攻撃を重ねるのがやや難しく、空振りすれば隙が生じる。コンボダメージは238。ガード後のフレームは-8。相手にブロック攻撃を選択されたとき、ポケモン技であるストーンエッジ、すなじごく等に逃げることができクリティカルを取られない(+後出しの技で勝てる可能性もある)。

  3. JCX  中上段攻撃。コンボ火力は241。ガード後は+4。走り構えX同様相手にブロック攻撃を選択されると確定でクリティカル攻撃を受ける。

それぞれの候補の説明を見ていただいたところで、重ねやすさ・コンボダメージ・リスク管理の観点­から考察していく。

 

  • 重ねやすさ ①≧③>②
    無敵技の影響を受けない①→中上段無敵の影響を受けるが重ねやすい③→ジャンプに対してやや重ね辛い②となる。サブキャラでガブリアスを使うなど、あまり慣れていない場合は①③を選択するほうが良い。自信があれば②というところ。

  • コンボダメージ ③≒②>①
    ②と③のダメージ差はほとんどない。これに比べて①は見劣りする。

  • リスク管理 ②>①=③
    ブロック攻撃即出しに対して①と③は対応できないが、②はストーンエッジに派生し逆に反撃することができる。また、攻撃をガードされたときに②は不利フレームを背負うことになるが、5YYはガード後に相手を少し吹き飛ばすことができるので、それほど危険にはならない。

 

この3項目から起き攻めを考えると、①は③よりコンボダメージが少ない劣化版であり、重ねるのであれば③のほうが良い(相手が中上段無敵技持ちであれば変わってくる)。②と③のどちらを選ぶのかはプレイヤーのスキルによって変わってくるだろう。重ねに不安があるなら③、リスク管理を徹底するなら②となる。

 

起き攻めにおいて私が最も重視しているのがリスク管理である。大会で見る強豪プレイヤーを見渡してもこれを疎かにしているものはまず居ない。ルカリオなら5YY→相手のブロックを見てからしんそくorボーンラッシュ振り下ろし、ジュナイパーなら5YY→ブロックを見てからハードプラント等、単発のジャンケンではなく次を見越したジャンケンを仕掛けていくのである。

もしここまでこの記事を読んだ方で、自キャラのリスク管理ができる技を理解できていないのであれば、これだけは必ず確認していただきたい。使いこなせるようになれば確実にレベルが上がるだろう。練習方法としては、トレーニングモードで8X、ジャンプ、ブロック、ガードをレコーディングし、攻撃が当たったらコンボを完走、ガードされたら自分が止めることができる最短の入力で止め(弱攻撃2段が一般的のように感じる)、ブロックされたらそれに勝てるorクリティカルとならない技に派生するとよい。

 

弱攻撃から派生する技のほかにも、ジュナイパーの6XXXやカイリキーの前転Xの様に、技自体がリスク管理を併せ持つものも存在する。起き攻めは勝利に直結する重要な場面である。大会に出る前などは、あらかじめしっかり準備したうえで臨んでいただきたい。